火山はすごいと思わせてくれる本がありました。
その名も直球「火山はすごい」
この本は、火山に興味をもってもらえるように描かれた本です。
筆者のエピソードがつまった本なので、単なる火山の解説書ではありません。頭にスッと入ってきます。
筆者がいかに火山に引き込まれているかが伝わってくる本です。
ここ最近の日本の火山活動は活発であることから、本書を手に取ってみました。
火山はすごい本について
本書では、5つの山について書かれています。いずれも、噴火した事のある山です。
- 阿蘇山(熊本県)
- 富士山
- 雲仙普賢岳(長崎県)
- 有珠山(北海道)
- 三宅島
本書で取り上げられている火山の中で、ここ最近で大規模災害となったのは、1990年6月3日に雲仙普賢岳で発生した大規模火砕流です。
避難勧告区域内にいた報道関係者など43名がなくなりました。
この災害をきっかけに、日本では火砕流に対する理解が広まりました。
2002年に出版された本書では、「火山についてわからない事が多い」と述べられています。
ただ、現在の口永良部島の噴火について、火山研究の専門家の方の話を聞く限り、まだまだ火山について未知の部分が多い事がよくわかります。
過去の事例から規模を予測しているので、今までよりも規模の大きな噴火が起きた際には、どうしても被害が大きくなってしまいます。
大規模な災害は、新たな事例として今後の対策に活かしていくしかありません。
火山噴火の収束予測の難しさ
例えば、今現在進行形で起こっている例ですと、箱根山の噴火に警戒しなければならないというのは、地震発生頻度や火山性ガスの発生具合からみてある程度わかります。
では、噴火した口永良部島ではどうか。
一度噴火したので、「いつ戻れるか」「いつ避難解除するか」というのを予測・決定する段階へと移っています。
最終的な決定は首長が行いますが、判断材料としては、専門家に意見を求めるのが一般的です。
ここでの専門家としての「意見」に苦慮されているのが印象的でした。
島での生活がかかっている方がいるので、安易な事は言えません。
三宅島が噴火して住民が避難している最中に行われた、2002年1月の噴火予知シンポジウムでは、東京都の青山副都知事の何とも重たい言葉が紹介されていました。
噴火がつづいているときには、火山学者のことばは、神様のことばともなるのです(p.213)
一日も早くもとの生活を取り戻したい住民の悲痛な思いを代弁している言葉だと感じました。
それくらい、科学的に予想される火山学者の発言に注目しています。
しかし一方で、現在の科学では噴火・収束の予測をたてる事が中々難しく、火山学者にとっても、歯がゆい思いをしている事が紹介されていました。
まとめ
5つの火山について、筆者の実体験を基に書かれた本となっています。
火山に興味を持てる内容となっていて、「火山はすごい」と思える内容でした。
過去にどんな噴火があったのかを知る上での導入本として最適な1冊でした。
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