「スタバではグランデを買え!」を読んだ感想

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身近な消費生活が題材となっている簡単な経済学の本「スタバではグランデを買え!」を読んだ感想を書いてみます。

スタバではグランデを買え!のキーワードは「取引コスト」

「はじめに」の章で、同じペットボトルのお茶がなぜ98円や100円・147円・150円と異なる値段で販売されているのか?から始まります。

答えは「取引コスト」が異なるからです。

「取引コスト」を軸に、ペットボトルのお茶の価格の違いを含めた8つのテーマについて、それぞれの章で話が展開されていきます。

スタバではグランデを買え!の意味

お店・お客がWin-Winなサイズがグランデ

第5章では、本書タイトルにも関わるスタバの話。「スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?」です。

結論としては、「Win-Winの関係になれるサイズは、ShortでもなくTallでもなくGrande(グランデ)だよ!」です。

もちろん、この3つのサイズの中ではGrandeが一番大きなサイズです。

(Short<Tall<Grande)

なぜお客もWinなのか

お店がWinなのはわかりやすいですが、なぜお客もWinなのか?

それは、サイズによる値段設定にありました。

Shortの240 mLに対してGrandeは2倍の480 mL。

にもかかわらず、ShortとGrandeの値段差は基本的に100円

どの種類の飲み物でもShortとGrandeの価格差は基本的に100円です。

例としては、コーヒShortが250円、コーヒーGrandeが350円。

カフェラテShortが300円、カフェラテGrandeが400円。

Short(240 cc) Grande(480 cc)
コーヒー 250円 350円
カフェラテ 300円 400円

たった100円追加するだけで、2倍の量のコーヒーが飲めるという流れです。

(場所代を払うという消費者目線なら、安いShortを頼めば良い話ですが、ここではあくまでの経営者目線の話です。)

Grandeは魅力的な値段に見える

ここでは、Grandeが魅力的に見えるような値段設定にされているという事がポイントです。

なぜ魅力的な価格設定をしているか?

そこには、いかに客単価を上げるかという課題がありました。

カフェ経営者の具体的なコスト計算が記述されていた部分はなるほど、と思いました。

例えば300円のコーヒーの内訳として、

  • 土地代
  • 材料代
  • 従業員の給料代

等々をざっくりと見積もって書かれています。
これらの経費を除いたものが利益となる訳で、そう考えてみると経営していくのは大変そうだと感じました。

客単価を上げる工夫

他にも客単価を挙げる工夫の一例として思いつくのが、コーヒーチェーン店で「Tallサイズの値段が先頭に表示されている」ことでしょうか。

小さい順にSmall<Tall<Grandeですが、

表示順だと①Tall②Small③Grandeとなっていることがあります。

文字の大きさは、Tallが一番大きく目立っています。

Smallよりも、価格の高いTallを購入してもらい、客単価を上げる戦略と言えます。

「スタバではグランデを買え!」を読んだ感想

経済学の本と最初に紹介しましたが、身近な題材を扱っていますし、専門用語もほとんど出てこないので、とっつきやすいどころか、食いついて読めました。

他の章も面白いので章の紹介をして終わりにします。

  • 第1章 ペットボトルのお茶はコンビニとスーパーのどちらで買うべきか?
  • 第2章 テレビやデジカメの価格がだんだん安くなるのはなぜ?
  • 第3章 大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?
  • 第4章 携帯電話の料金はなぜ、やたらに複雑なのか?
  • 第5章 スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?
  • 第6章 100円ショップの安さの秘密は何か?
  • 第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?
  • 第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?
  • 最終章 身近な話題のケース・スタディ

赤文字は特に面白かった章です。

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