今ではのべ月間利用者数は5200万人にのぼる料理レシピサイトである「クックパッド」。
2009年5月に出版された、600万人の女性から支持される「クックパッド」というビジネスを読んだ感想を書いてみました。
本書の概要
本書では、今(2009年3月)でこそ、616万人もの月間ユーザー数を持つレシピサイトとして有名になっているわけですが、ここに至るまでのビジネス手法について書かれています。
クックパッドの理念
「毎日の料理を楽しみにすることで、心からの笑顔を増やす」
を軸に、話が展開されていきます。
600万人の女性から支持される「クックパッド」というビジネスを読んだ感想など
本書では、クックパッドの理念がぶれないこと・社内に浸透しているということがよくわかりました。
クックパッドの創業者は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)出身の佐野氏。
今でこそ経営は順調と言えますが、事業開始当初はユーザーが集まっているにもかかわらず、利益を生み出す事が大変だったと言います。
2004年には、ユーザー数が100万人規模になりますが、継続して契約していた広告クライアントは、ミツカンただ1社だけでした。
広告クライアントには強烈なこだわりがあったと佐野氏は語ります。
クックパッドは料理が楽しくなるサイト。(中略)料理を楽しくすることがない、まったく料理と関連のない広告は、ユーザーのためにも入れてはいけないと思っていました。(P.108)
広告メディアとして活用したいというクライアントが数多くいたにも関わらず、理念に反する広告は受け入れない選択を取りました。
理念へのこだわりは、本書全体を通して貫かれているところは注目ポイントでした。
このこだわりがますます業績を厳しくするわけですが、転機が訪れます。
転機となったのは、
- 小竹氏(大手企業の大規模Webサイト構築を手がけるwebプロデューサーを務める経験を持つ)
- 森下氏(広告代理店に常駐、モバイルを活用した広告プロモーション事業に携わった経験を持つ)
の入社です。
この2人の入社をきっかけに、広告成功事例をたくさん作ることによって、徐々に広告の契約にも結びつき、経営は軌道に乗っていきました。
ここからの販売手法は、圧倒的な利用者に対して、効果的な宣伝手法(例:特定商品を使ったおすすめレシピの募集コンテスト)がぞくぞくと出てきてきました。
ユーザーが楽しめつつ、広告主もハッピーになる企画は見所でした。
まとめ
クックパッドには、会社の理念が染み渡っている事がよくわかる本でした。
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