【本】羽生善治論を読んだ感想

 

羽生善治論

将棋棋士の加藤一二三九段の著書「羽生善治論」を読んだ感想を書いてみました。

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本書の概要

本書は、「神武以来の天才」と呼ばれた経験を持つ加藤一二三九段が、「加藤一二三は大天才である」という前提のもと、「羽生善治は天才なのか?」について、様々な角度から記述されています。
将棋ファンとして大変楽しめる内容でした。

目次は以下の通りとなっています。

  1. 羽生は天才か?
  2. 名人への道
  3. 異次元の強さの秘密
  4. 羽生に弱点はあるのか
  5. 羽生の気配り
  6. 加藤・羽生 血涙三番勝負

全体的に面白かったので、各章に対する簡単なまとめを紹介します。

各章のまとめ

第1章 羽生は天才か?

羽生さんが天才である理由が色々と述べられています。

無から有を生み出せる・早指し・etc…

第2章 名人への道

羽生さんがはじめて名人を獲得したのは1993年度。23歳のとき。相手は米長名人でした。A級初参加にして初挑戦での名人位獲得。

羽生四冠対米長名人で行われた名人戦について、当時の心境などが記されています。

羽生さんから見て○○○●●という3勝2敗の状況になった時に、羽生さんは怖さを感じていた部分が印象的でした。

ベテランの米長名人の、7番勝負の全体的な戦術に怖さを感じていました。

心技体が充実していないと名人にはなれないという事が伝わる章となっていました。

第3章 異次元の強さの秘密

第3章では、強さの秘密を探っています。

その理由の1つとして挙げられているのが「オールラウンドプレーヤー」。

羽生さんは基本的に居飛車党ですが、時には振り飛車も指します。

そして、振り飛車でも結果を残しています。

羽生さんはどこまで強くなっていくのだろうと思ってしまいます。

第4章 羽生に弱点はあるのか

羽生さんの弱点について検討しているのが第4章です。

圧倒的な強さを維持している羽生さんですが、弱点があるとすれば、「羽生さんを取り巻く状況」と加藤九段は指摘しています。

すなわち、スケジュール。

タイトル戦は年に7回(正確には叡王戦が創設されて8つになりましたが、羽生さんは出場の意向を示していません。)行われます。
関連ドワンゴ主催の新棋戦名称は叡王戦(えいおうせん)。羽生善治名人、渡辺明棋王らはエントリーせず | 将棋ワンストップ・ニュース

7つのタイトル戦は年中行われるため、いくつかのタイトル戦の場合、対局が長引けば期間が重なる事もあります。

いくつもタイトルを保持している羽生さんのような棋士の場合、タイトル戦を平行して戦わなければなりません。

加えて、他の棋戦の予選会も平行して行われています。

過密スケジュールによる準備不足が弱点になるのではないか?と加藤九段は指摘しているのです。

本書では、準備不足ではないか?という対局がいくつか挙げられていました。

にも関わらず、ほとんど過密スケジュールの影響を感じさせない活躍を見せている羽生さんに、驚きを隠せません。

第5章 羽生の気配り

羽生さんの気配りに関して触れられているのは章のほとんど最後の方でちょこっと。

しかもオフレコの内容だったので、どんな話題について気配りをしたのかがわかりませんでしたが、加藤九段にとっては印象に残ったようです。

この章は、対局中の盤外戦術、心理戦などについての話題が中心となっています。

2012年の達人戦準決勝の森内九段戦での「二手指し事件」についても触れられています。

でも、森内さんだって、私が駒を持った瞬間、「あっ、加藤先生、私の手番です」というような一言があってもよかったと思う。(p.167)

もちろん、相手に告げる必要はないと加藤九段も述べられていますが、加藤九段らしい考え方です。

第6章 加藤・羽生 血涙三番勝負

加藤一二三九段が羽生さんとの対局の中で印象に残った三局が具体的に紹介されています。

その中でも有名だと思われるのが、1989年1月9日の第38回NHK杯準々決勝。

高校生の羽生五段との初対局を挙げています。

「▲5二銀」が世間的には有名ですが、その加藤九段は戦場に玉自ら近づいていく羽生五段の▲4八玉を「驚愕の一手」と評しているのが印象的でした。この手に対して、加藤九段は羽生さんの天才を感じとっています。

今で言う「木村玉」(木村一基八段)のような印象です。

まとめ

加藤九段の羽生さんに対する愛情を感じ取れる一冊でした。

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