今まで7つあった将棋棋戦に、新たに「叡王戦」が加わりました。
追記2015年8月19日
将棋の一般棋戦に新たに「叡王戦」が加わりました。
叡王戦の主催はドワンゴと日本将棋連盟。
棋戦名の「叡王戦」は、3,422件のユーザー公募の中から主催者が9つに絞り、ユーザーの投票によって決まったものです。
関連ドワンゴ・日本将棋連盟主催 新棋戦名は「叡王戦」に決定、154名のプロ棋士がエントリー 6月20日(土)は九段の段位別予選で開幕 | お知らせ|お知らせ・イベント情報:日本将棋連盟
棋戦名は2015年6月18日に決定しましたが、既に6月20日から予選が始まっています。
さて、ドワンゴ・日本将棋連盟主催の叡王戦ですが、他の7つの棋戦とは一線を画した棋戦となっていて、注目しています。
その理由としては、
- 予選の模様をニコニコ生放送で放送
- 感想戦も放送
- タブレットを用いての大盤解説
- 叡王戦優勝者はコンピュータと対局
という点が挙げられます。
予選の模様をニコニコ生放送で放送
将棋の7大タイトル戦に関しては、王位戦を除いて全てニコニコ生放送で対局の模様が放送されるようになりました。
しかし、タイトル保持者へ挑戦するための予選に関しては、放送されていませんでした。
この叡王戦では、段位別予選という形式をとっており、全138局からなる段位別予選のうち、50〜60局を目安に生中継を予定しているようです。
予選まで中継されるというのは画期的です。
感想戦も放送
将棋の対局では、対局終了後に「感想戦」を行っています。
感想戦は、一局の振り返りを行うものです。
感想戦の模様も、2015年6月20日に行われた叡王戦の予選では放映されていました。
対局者の声も拾えているため、局面の感想を聞けるというのは、叡王戦を主催しているドワンゴ社(ニコニコ生放送)ならではです。
タイトル戦に限って言えば、最近では棋王戦と棋聖戦において、プレミアム会員であれば、対局終了後の感想戦まで視聴する事が可能というオプションがついています。
プレミアム会員限定ですが、感想戦の模様までもが放映されるようになったのは、将棋ファンにとって画期的でした。
当然のようにプレミアム会員となっています。
叡王戦では、無料会員orプレミアム会員に関係なく、感想戦の模様が中継されます。
感想戦の模様を見られる機会が増加するので、プレミアム会員にとっても今回の予選の段階からの感想戦放送は嬉しい限りです。
タブレットを用いての大盤解説
近年のタイトル戦では、先ほども紹介した通り、王位戦を除いた7大タイトル戦では、解説・聞き手担当の棋士の先生による大盤解説も中継されています。
叡王戦でも、解説・聞き手担当の先生方が出演されて将棋の解説を行っているのですが、解説する際に、大盤を使用せず、タブレットを用いての解説が行われています。
タブレットの種類はSurface。Surfaceを用いての大盤解説は電王戦FINALでも用いられていましたが、タイトル戦でも利用されるようになりました。
叡王戦予選初日の解説をされた田中寅彦九段によると、駒を戻す(局面を戻す)のが凄く簡単との事で、棋士の先生方の負担が軽減される可能性が高いと思われました。
ペンによる書き込みも可能なため、わかりやすさも増しました。
ただ、棋士の先生方はタブレット端末の操作に慣れる必要がありそうです。
解説で利用しているアプリ(ソフト?)は今後個人向けに販売されるのでしょうか?
欲しいです。Surfaceを持っていないですが。
叡王戦優勝者はコンピュータと対局
叡王戦を優勝した人は、「叡王」の称号が与えられます。
叡王戦の優勝者は、2015年11月に開催される「第3回将棋電王トーナメント」の優勝ソフトとの対局「第1期電王戦」が予定されています。
- 持ち時間8時間
- 2日制(初日は封じ手あり)
- 秒読み60秒
- 2局行う(先手と後手)
というルール設定となっています。
人間とコンピュータとの5対5で行われていた団体戦「電王戦」はひとまず終了しましたが、引き続き人間vsコンピュータの対局の場が用意されました。
コンピュータがタイトル戦のようなルール設定で対局するのは初めて見るので、2016年春に開催予定の第1期電王戦が楽しみです。
特に封じ手などはどうなるのか注目したいです。
まとめ
叡王戦は今までにない様々な取り組みがあって、ワクワクしながら観ています。
関連【将棋】第1期叡王戦 七段予選 田村・中座・豊島 – 2015/06/26 14:00開始 – ニコニコ生放送
関連【将棋】第1期叡王戦 五段予選 金井・佐藤・船江・阿部 – 2015/06/30 10:00開始 – ニコニコ生放送
関連【将棋】第1期叡王戦 九段予選 田中・青野・福崎・高橋 – 2015/07/02 10:00開始 – ニコニコ生放送
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コメント
叡王戦はあくまで一般棋戦で、7大棋戦のようなタイトル戦じゃありませんよー。
#連盟HPではタイトル戦のすぐ下に並んでて扱いは悪く無さそうですが、NHK杯とかと同等でタイトル保持者も棋戦の外では段位呼びになるはず
並べて書いて「~が加わった」とするにはまだ格が不足かと。
指摘ありがとうございます。勘違いしていましたので、一部追記で修正しました。8大タイトルになったわけではないのですね。